5月24日(土)

昨年の全米最優秀教員(NTOY)に選ばれたジェフリー・シャーボノー先生が、星槎もみじ中学校へやってきました。

星槎もみじ中学校の開校記念行事の一貫として、札幌市内の小学校5,6年生と保護者を対象に、「英語で理科を学ぼう」が行われました。

海洋での油の流出事故と環境への悪影響について話した後に、水に黒い油を入れて、「科学者になったつもりで、きれいな水に戻してみよう」という呼びかけで実験が行われました。

子ども達が洗剤や塩、砂、綿等をつかって試行錯誤する様子を、「それは素晴らしい、こちらも試してみた?」と、正解を教えるのではなく、プロセスを励まし丁寧に見守るジェフ先生の授業の進め方に、教員や取材に来た記者達も感銘を受けました。

その後、星槎もみじ中学の全学年で調べた札幌の自然環境作りについて、3年生の生徒達が発表を行いました。

スパイクタイヤがアスファルトを削り粉塵となって空気を汚染することや、札幌市ではそれを防止する条例ができたことについて発表が行われました。

ジェフ先生が住む地域ではそのような規制はなく、現在もスパイクタイヤの車が走っていると、驚いていました。

5月25日(日)

ジェフ先生の北海道訪問2日目は、支笏湖で自然観察を行いました。

レンジャーの付き添いで、支笏湖が火山によって出来上がった成り立ちを聞き、水中遊覧船に乗って、湖底にある柱状節理の様子を見たりしました。この日は天気がよく、湖底に光が入ってとても綺麗に見えました。

日本の国立公園や休暇村の制度についての説明も、興味深く聞いていらっしゃいました。

5月26日(月)

ジェフ先生は、札幌市立もみじの森小学校を訪問しました。札幌の小学生達は本当に活発で、来校するなり先生を取り囲み、通訳なしでジェフ先生へ話しかけている児童もいます。

1時間目、4年2組(三浦先生)理科「乾電池とモーター」の授業へ参加しました。

2時間目は、6年1組でジェフ先生と生徒達と交流の時間でした。

「どんな食べ物が好きですか?」という質問に「BBQ、特にジンギスカンBBQは昨日も食べた」とジェフ先生が回答すると、小学生達は大盛り上がり。(さすが北海道!)

マンガ、という言葉はアメリカでもそのまま通じることや、アメリカで子どもが一番好きな食べ物は「マカロニチーズ」であることなど、生徒達にとって新しい発見がたくさん得られた時間だったようです。

その後、もみじの森小学校の校長先生と、地域の教育的な問題に関して小学校が果たす役割についてどのように取り組んでいくべきか、議論を交わしました。

ランチは、久しぶりにアメリカンフードを、ということでバーガーキングに行く予定だそうです。

5月27日(火)

東京・神田の日本教育大学院大学でジェフ先生の講演が行われました。テーマは「良い先生になるためと良い授業をするための6つのキーについて」。今年度より星槎グループに仲間入りした同大学院 (http://www.kyoiku-u.jp/)の学生に、ご本人の経験を織り混ぜながら約90分、熱くお話されました。

このキーに共通することは生徒に障壁を克服することを教えることであり、それを教えることによって生徒達の自信に繋がる。授業を行うすべての生徒との信頼関係を作ってから授業を行うこと。また、教師も職員も生徒でもあり、お互い教え合い・助け合う関係なのだと強調されていました。

「学習障害を持っている子どもがいる場合、その生徒との関わりの時間が増えて他の生徒達との関わりが薄れるのではないか?」という質問に、ジェフ先生は「私はすべての生徒に対して等しく接している。関係の築き方は違うかもしれないが等しく関わっている。」と答えました。

その後会場を移し、Teach for Japanの松田悠介代表理事と、「良き先生とは」というテーマで対談しました。

「良き先生の条件はパッション(情熱)とフレキシビリティ(柔軟性)と自信。パッションとは教えることへの情熱・生徒への愛情。フレキシビリティは個々の生徒に応じて身近なものとして教えていくこと。自信、教える教科に対して自分が十分理解していること。もし自分が理解していないことが出てきた場合は、正直にそれについては生徒と一緒に勉強していくことを言う。持っている知識には限界があるから、知らない場合は正直に生徒に言うべきだ」と仰っていました。

定員50人のところ、約100人の聴衆が集まり、急遽会場を変更するほどの賑いでした。本テーマへの関心の高さが伺えます。対談の後もジェフ先生に個別に質問が相次ぎ、予定より大幅に過ぎるほどの盛り上がりでした。

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