★「第2回短期留学プログラム」がスタート!(世界こども財団 facebook掲載記事より転載)

第2回短期留学プログラムとして、ミャンマーから3名の大学生と2名の先生方を迎えました。

1日目「無事来日しました」

朝早い便で成田に到着しましたが、疲れる様子もなく、江戸東京博物館を見学して、浅草を観光しました。

今回の拠点となる高尾キャンパスへ到着し、高尾のスタッフと歓迎のディナーを食べました。皆食欲もあり、とても元気です。高尾キャンパスの美しい紅葉が、印象的だったようです。

  

 

2日目「ミャンマーデイ in 若葉台」

星槎中学高等学校で、周辺の若葉台地域の皆様をご招待し、「ミャンマー・デイ」と題した歓迎イベントを行いました。

生徒達が並んで大歓迎をしてくれている中、会場へ到着しました。

手巻き寿司や餅つき、お抹茶など、日本食の体験は、皆さん大満足で楽しんでいたようです。生徒や地域の方々が雀踊りやソーラン節、山笠音頭にフラダンスなど様々な踊りを見せて下さいました。

留学生達は1人ずつ分担してミャンマーの国紹介を皆の前で行いました。その後、打鼓音の皆さんにレクチャーを受け、和太鼓の体験も楽しみました。帰りも多くの教職員、生徒に見送られ、もりだくさんの一日でした。

  

3日目「金型工場視察」

今日から本格的な視察がスタートします。

最初は金型メーカー大手の株式会社明輝(神奈川県厚木市)を見学させていただきました。同社は東南アジアを含む世界各国に進出しているメーカーであり、日本の「ものづくり」産業を支える縁の下の力持ちです。工場では多様な顧客ニーズに応えられるよう高性能の工作機械が使われています。ただ、最後の仕上げは熟練工による手作業が必要で、人の手でしか達成できない加工精度があるとの説明を受け、メンバー一行は驚いていました。

その後、一行は星槎グループの大磯本部へ移動し、宮澤保夫会長に面会しました。その際、会長からは「戦後、日本は若者の力で復興して来た。今のミャンマーも若い君たちの力を必要としている。この研修から色々なことを学んでもらい、将来に役立てて欲しい」との激励の言葉をもらいました。続いて、テレビ会議で全国の星槎の教員との交流も行い、盛りだくさんの1日となりました。

   

4日目「産業・生活を支える電力産業」

今日から2日間は京浜工業地帯の中核を形成する川崎地区を視察します。

まず、一行は東京電力(株)の浮島太陽光発電所を見学しました。2011年8月に稼働したこのメガソーラー発電所は、川崎市が土地を提供し、東京電力が施設・運用を担当する共同事業です。一行から「ミャンマーでは電力供給の主役は水力です。ミャンマーの季節は雨期・夏期・冬期の3つですが、雨期以外は水力による発電量が落ちます。一方、夏期・冬期は天気が良いのでソーラー発電への期待は大きい」との発言がありました。それだけに、通常、立ち入れないソーラーパネル設置敷地内を見学させてもらい、熱心に見学していました。

その後、同じく東京電力の火力発電所を視察しました。通常のガスタービンと蒸気タービンを組み合せて発電効率を上げている最新の発電方式について説明を受けました。更に使用済みの蒸気を近隣の工場にパイプで提供し、各企業でのボイラー使用を大幅に削減していることに、皆、関心を示していました。

この日の夜は、川崎市が主催する工場地帯のナイトツアーに参加し、工場地帯が観光資源にもなっている好例を体験し、今日のプログラムは午後9時過ぎ終了しました。

 

5日目

5日目は、宿泊でお世話になった川崎市青年の家を後にして、まずはKSP(神奈川サイエンスパーク)内にある光触媒ミュージアムへ。光触媒の、汚れを分解したり、超親水になる性質を実際の外壁材や窓ガラスなどで実演してくださいました。

その後、川崎市内の中小企業のために設置されている高度計測センターを見学。SEMなどの超微細な計測機材を見せてもらいました。

昼食は、川崎市商工会議所の会頭および幹部の皆様とご一緒させて頂きました。ビルの最上階にある眺めの良いレストランで、ミャンマーの環境や今後の展望などについて歓談しました。

午後は東芝未来科学館で、静電気発生の実験や、超電導の原理の実験、音の発生に関するサイエンスショーなどを見学しました。

雨が降り、冷え込みが一層強くなってきていますが、皆健康に問題なく、元気に頑張っています。

 

 

6日目

今日は高速道路に乗って、山梨県へ出かけます。

午前中は、山梨県立リニア見学センターへ。
http://www.linear-museum.pref.yamanashi.jp/

開館時間に合わせて到着しましたが、既に順番待ちという盛況ぶりでした。リニアの原理を分かりやすく解説する展示を見ながら、時速500kmで試験走行するリニアモーターカーがやってくるのを待ちます。館内のアナウンスに従って、デッキに出ると、ものすごい音と共にあっという間に7両の車両が疾走していきました。あまりの速さに、写真を取り損ねる人が続出。2度目、3度目のチャンスでは、反省を活かして動画で撮影をしました。

午後は、NECプラットフォームズ 甲府事業所へ。

http://www.necplatforms.co.jp/
http://www.nec-computertechno.co.jp/(旧HP)

将来リニアモーターカーの駅が出来る予定地のすぐそばにあります。ここでは、サーバーの受注生産行程を見学します。1つ1つ異なる複雑な注文を、間違いなく組み立てていくために多くの行程が人力で行われていること、それを支えるシステムが、ミスを防いだり効率を上げるためにとてもうまく工夫されている事にとても驚いていました。
微細なはんだ付けを行うプリンターなど、機械を使う行程と、人力の行程がうまく組み合わせて、世界一の品質を目指しているそうです。
とってもレアな、「バザールでござーる」のグッズを記念に頂きました!

夕方には高尾キャンパスへ戻り、美味しいコロッケを頂きました。ミャンマーでは、最後に1つ残った食べ物を食べると、結婚できないというジンクスがあるそうです。日本では、残り物には福があるという言葉があるよ、とすすめましたが、やんわり断られました。

夕食後は、高尾を拠点にしている劇団新制作座の皆さんに日本の歌「ふるさと」を日本語で教わりました。今度はミャンマーの歌を高尾のスタッフに教えてね!と約束して、今日は解散となりました。

いよいよ寒さが強まってきましたが、皆さんとても元気な様子です。

 

7日目

一段と冷え込みが強まった今朝、5人は高尾山へと出かけました。ケーブルカーを降りた山の気温は-1℃で、生まれて初めてマイナスの気温を体験した人もいたようです。30分ほど歩いて、山頂を目指します。

よく晴れた山頂からは、綺麗に富士山が見えました。薬王院へお参りをして、またケーブルカーに乗って美しく色づいた紅葉を眺めながら戻ってきました。

午後は、八王子にある北原国際病院の見学です。
http://www.kitaharahosp.com/honnin/
患者さんとその家族の心地よさを最優先に考えられた設備について見せて頂きました。また、関連施設の北原リハビリテーション病院(http://www.kitaharareha.com/)では、セラピー用の農場を見たり、患者家族が参加するボランティア制度などについて説明を受けました。

夕食は、劇団新制作座の皆さんや、八王子学習センターの先生方と一緒に食べました。バナナの皮をむきはじめる場所が、日本とミャンマーでは逆だ、ということで大いに盛り上がりました。

プログラムも半分を終え、夕食後のミーティングでは、これまでみた企業や施設の価値とは何か?という点を皆で真剣にディスカッションし、ホワイトボードにまとめました。

残り1週間も、頑張って参りましょう。

 

 

8日目

この日は午前中、星槎大学副学長の細田満和子教授が高尾キャンパスへ来て、留学生達に「共生社会(inclusive society)について」
「日本の保健医療システムについて」の講義を英語で行いました。
これまでも、井上学長から3つの約束について、宮澤会長から本プログラムを通して皆さんに期待することなどについて話を聞いていたので、共生社会というキーワードについて、理解が進んだようです。
日本の保健医療システムについては、日本の人口動態の推移から紹介し、ミャンマーとの差について意見を出し合いながら進んでいきました。帰国後に、この授業についてエッセイを送るという宿題も出ました。

2時間みっちり講義のあとは、昼食を細田先生も一緒に食べました。日本のカレーライスと、らっきょうは皆大好きだったようです。また、手作りドーナツもおいしく頂きました。

午後は、高尾キャンパスを拠点とする劇団「新制作座」の協力で、舞台衣装として所有している膨大な着物の中から、特に上質で、1人1人に似合う色や模様のものを見立てて下さり着付け体験をしました。

女性陣はヘアメイクから始めて、皆さん大変身。ホットカーラーをたくさん頭に巻いて、途中どうなることかと心配顔の人もいましたが、出来上がりに大満足です。とてもよく似合っています。

その日の夜は、May PhyoとAye Chanが、Ko Linの歌に合わせて水祭りの際に踊るという踊りを高尾スタッフに披露してくれました。最後は皆で一緒に踊り、大変楽しい夜を過ごしたようです。

 

9日目

研修後半は世界的複写機メーカー、コニカミノルタ訪問で始まりました。宿泊先の星槎高尾キャンパスから車で30分程の場所に、コニカミノルタの研究開発センターがあり、グループの頭脳集団が集まっています。同社社員でも限られた人しか内部に入れないと言う場所を、今回は特別に見学させていただきました。

7階建て、延床面積4万平方メートルの建物は、中央に吹き抜けのアトリウムを配し、ふんだんに外光を取り入れたモダンな建物になっています。事務所はアトリウムの周りに配され、壁を設けないオープンスペースになっていました。「各事業部の壁を取り払う」との意図を具現化した設計で、各事業部の研究者が交流・打合せをできる共有スペースが至る所に設けられていました。このような職場環境を作ることにより、「独創的な新技術を生み」、しかも「スピーディーに実用化へつなげる」ことを目指しているとの説明に、ミャンマーの留学生達は自分たちも工科系の学生・研究者ですので興味深く聞き入っていました。

その後、最新の開発成果を展示したショールームを見学させていただき、最新のサーバー機能を備えた複写機、デジタル印刷機等、本業の色彩・映像技術を活用した製品をはじめ、それら技術から派生した有機EL、医療関連機器の説明を受けました。

 

 

10日目

この日は、世界的なタイヤメーカーとして知られている、ブリヂストンの小平工場を訪問しました。本社広報部より、馬場様がお越しになり、見学のアテンドをしてくださいました。

企業の歴史と理念について、企業の成長の過程について、CSRの取組について、タイヤの代表的な製造工程について、DVDを見ながら詳細なご説明を頂きました。創業者の理念が今も大切に受け継がれていること、従業員を大切にし、世界中のブリヂストンの拠点の中に病院や学校などがあり、その家族と一緒に生活をしていること、熾烈なシェア争いをしていた時代や、プレーヤーの変遷、CSR活動を大切にしている事など、興味深いことが多かったようです。

次に、普通では入る事のできない社屋に入り、タイヤのパターンデザイナーの方々に、3DCADを使ってタイヤパターンをデザインし、その性能をシミュレーションして精巧なCGイメージをつくる行程をデモンストレーションして頂きました。出来上がったタイヤの3Dイメージを、3D眼鏡をかけて立体的に見ることができます。

世界一大きなタイヤの前で記念撮影をした後に昼食をとり、東京オリンピックのオフィシャルオリンピックパートナーとなったことへの
意気込みなどを伺いました。

午後は、リトレッドラーニングセンターにて、タイヤのリサイクル行程を見学。実際に使用済タイヤから、新しくタイヤが生まれ変わるまでの行程を丁寧に見せて下さいました。

最後に、ブリヂストンTODAYという博物館に入り、F1のテストカーや製品の実物を見たり、低燃費タイヤの仕組みなどを勉強しました。

ブリヂストンはミャンマーでも有名なブランドだそうで、皆熱心に写真撮影やメモをとっていました。

 

11日目

綺麗に色づいていた紅葉も、この数日吹く風でだいぶ落ちてきてしまいました。

今日の午前中は横浜国際福祉専門学校にて、星槎大学准教授の豊田宗裕先生から、日本の社会福祉に関してレクチャーを受けました。

世帯数は増加し、1世帯当たりの人数は減少していること、都市部と郊外の人口増加率の差が大きく開いている事、日本の社会保障予算の推移など、資料を使って詳細に伺います。また、どのような種類の福祉制度や施設があるのか、それは誰が使えるのか、といったところまで丁寧に教えてもらいました。

昼食は、星槎大学の杉山尚子教授、仲久徳准教授、伊藤一美准教授と
一緒に近隣の福祉施設から届けられるカレーライスを食べました。倫理委員会のメンバーである教授たちは、この日午前中会議で研究倫理に関するガイドラインについて話し合いをしており、それについて意見交換など行いました。

午後は、午前中に学んだことをもとに、実際の特別養護老人ホームと、スポーツクラブを見学します。

中央に中庭があり、採光に優れたとても立派な建物の特別養護老人ホーム悠々園(http://yuyuen.com/)には、約100名の高齢者が暮らしています。各設備を見せて頂き、広い個室や共有スペースと、ケアの体制について説明を受けました。また、この日は悠々園内において近隣のボランティアの皆様方の会合があり、そこへ飛び入り参加して自己紹介する機会を頂きました。

少し移動して、お年寄りの転倒防止のための、筋力トレーニングを行うケアフルクラブ悠々園において、トレーニングを行っている様子を見学しました。イスに座ったままできる、転倒防止を目的とした体操DVDをプレゼントして頂きました。

その後、悠々園を運営する法人の理事長陶山(すやま)慎治様と
ご案内をして頂いた介護福祉士宮澤和之様とコーヒーを頂きながら、ミャンマーの様子についてなど、懇談をしました。ミャンマーでは、福祉に関することはほぼボランティア活動として無償で行われているそうです。

 

 

 

12日目

久しぶりに雨が降り、冷え込みが弱まりました。訪れた人のことを引き留めるように降る雨の事を「遣らずの雨」と言いますが、まさにそんな雨が静かに降っている中、高尾キャンパスでの滞在は最終日となりました。

お昼に日本ミャンマー協会事務総長の渡邉祐介様が駆けつけて下さり、一緒に昼食を食べました。午後は、高尾キャンパスで学ぶ高校生達が見守る中、ログハウスにて、修了式を行いました。大勢の拍手で入場し、1人ずつ、井上一理事長より修了証を受け取りました。
(日本の学校でやる賞状の受け取り方を練習しました。皆さんばっちり決まっていました。)

井上理事長から、祝辞をもらった後は、「星槎の歌」を皆で歌いました。昨日の夜遅くまで生徒と一緒に練習した甲斐があり、とても上手に歌っていました。参加した全員との記念撮影を行い、修了式は無事に終了しました。

その後、高尾ホールにてエンターテインメントゼミの生徒達が素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。坂本龍一「Merry Christmas Mr. Lawrence」のギター演奏と、sekai no owari「RPG」の演奏、歌、ダンスによるパフォーマンスがありました。この日の夕食は、これまでお世話になった高尾のスタッフ達が皆集まり、一緒に食べました。

夕食後、高尾スタッフからのプレゼントをもらったり、歌を歌ったり、Ko Linと高尾男性メンバーでのソーラン節や女性陣で水祭りの踊りなど、いつまでも別れを惜しんで時間を過ごしました。

 

 

 

13日目

高尾キャンパスを離れ、この日は成田へ移動です。高尾のスタッフから見送られ、いつもより早めに高尾キャンパスを出発しました。

初めての電車移動となります。SUICAを使って電車に乗り、神奈川県庁まで移動します。朝の通勤ラッシュに重なって移動しますが、普段の大学へのバス通勤・通学も同じように混雑するそうで、皆さん慣れたものです。

横浜の中心地にある神奈川県庁へ到着し、本庁舎の部屋へ通されます。皆さん緊張の面持ちです。黒岩祐治神奈川県知事を始め、神奈川県庁産業・観光部の方々が列席し、留学生達を迎えました。

1人ずつ、今回のプログラムについての感想、学んだことを発表し、県知事から留学生達へ激励の言葉を頂きました。さらに、知事より箱根の寄木細工で作られた木製のマウスパッドが1人ずつにプレゼントされました。代表してエイペイペイピョ先生より、ミャンマーの絵画を知事へ手渡しました。

神奈川県知事のWebサイト 写真で見る!「黒岩日記」にもその様子が取り上げられました。

(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/chiji/p863324.html

県庁訪問後、大さん橋を見学し、昼食をとったあと東京へ電車で移動します。

在日ミャンマー大使館へ、本プログラムの様子を報告に伺いました。近年非常に日本国内でも注目が高まり、急激に訪問者が増加し続ける在日ミャンマー大使館は、現在新しく建物を増築中です。Deputy Cheif Of Mission&Minister CounsellorであるWin Aung様がご対応下さり、留学生達に詳しく感想を伺って下さいました。また、星槎の短期留学プログラム活動について、いつでもサポートをしますと温かい言葉をかけて下さいました。

少しの自由時間の後、点灯したばかりの丸の内エリアのイルミネーションを見ながら、明日のフライトに備えて、成田空港そばのホテルへと移動しました。

 

 

14日目(最終日)

快晴の朝、留学生一行は成田空港近くのホテルで帰国の日を迎えました。

「私たちが到着した日も良い天候でしたが、今日もまた良い天気です、私たちが帰国するから」と、メー・ピョーさんが茶目っ気たっぷりに話していました。

そして「この2週間私たちは本当に良い経験ができました」「高尾キャンパスの皆さんの親切は忘れません」「宮澤会長・井上理事長からの言葉がこれからの励みになります」など、メンバー皆から思い出と感謝の言葉が出てきました。

一行は予定通り正午前の飛行機で帰国していきました。企業訪問でいただいた資料等で荷物が増えていましたが、より多くの思い出とともに。。。。

 

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